ドライブマイカー・原作との違いは?村上春樹の小説との比較

映画

映画『ドライブ・マイ・カー』の、原作との違いについてお伝えします。

『ドライブ・マイ・カー』は村上春樹の短編小説が原作の映画です。原作小説と映画、両方のあらすじと、ネタバレのない範囲で映画の情報をお伝えします。鑑賞の参考にどうぞ。

映画『ドライブ・マイ・カー』は濱口竜介監督による作品で、カンヌ国際映画祭で脚本賞、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞を受賞しました。脚本賞の受賞は日本人で初めての快挙です。エキュメニカル審査員賞はキリスト教関連団体から贈られる賞で、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られます。受賞者はヨーロッパが多く、アジア諸国では6人しか受賞していません。それだけ内容が評価されたということですね。

追記;ゴールデン・グローブ賞で非英語映画賞を受賞しました!

追記;アカデミー賞で国際長編映画賞受賞も受賞!

 

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「ドライブマイカー」村上春樹の小説のあらすじ

 

この映画の原作は、村上春樹の短編集『女のいない男たち』に第1作目として収載されている「ドライブ・マイ・カー」です。

「ドライブマイカー」のあらすじ

主人公の家福が運転手を探します。車は黄色のサーブ900コンバーティブル。家福が接触事故を起こし免停になってしまい運転できなくなったためです。さらに目に問題があることも発覚したため、回復しなければ運転できません。

家福は俳優で、家と仕事の行き来には車を使っています。紹介された運転手は「みさき」という20歳代の女性。運転がうまく、無口でぶっきらぼうでむやみにタバコを吸うのだそうです。実際に会って車を運転してもらったところ、とても運転が上手いので採用することにした。みさきが運転する車で家福は助手席に座りますが、亡き妻のことを思い出すことが増えていきます。

家福の妻も俳優でしたが、子宮がんのため10年程前に亡くなっています。家福は妻が生きているときに共演中の男と寝たことがあると知っています。知っていることは妻には悟られないようにしていました。そのうちの1人高槻をお酒に誘い、友達のような付き合いをしていたことがあります。なぜなら、妻がなぜその男と寝たのか知りたかったからです。その理由がわからないことが心の盲点となってい、埋めたかったからです。

家福はそんな話を運転中のみさきに話します。ぶっきらぼうなみさきに話すことで、家福は心の盲点・傷と向き合っていきます。

 

小説はここまでで終わっています。その後を想像させる終わり方です。

 

 

 

「ドライブ・マイ・カー」の小説にちりばめられたメタファーと相関

また小説には村上春樹らしい、いくつものメタファーがちりばめられています。

演技派の俳優である家福⇒⇒⇒私生活でも不倫に気づいていない振りの演技をしていた         ・・・・・・・・・・・⇒⇒⇒高槻とも友達の振りの演技をしていた

家福は子供が生まれたが生後3日で亡くなった⇒⇒みさきは家福の子供と同じ年生まれ

家福の年齢⇒⇒⇒みさきの父親と同じ年

「ドライブ・マイ・カー」⇒⇒同名の曲がビートルズのアルバム『ラバー・ソウル』(1965年)の1曲目にある。この曲の中で「Baby, you can drive my car.(あなた、私の車を運転してもいいわよ)」という歌詞がある。

車の色は妻が選んだ⇒ある意味妻の車⇒私(妻)の車を家福に運転させてあげる

現在は、家福⇒みさきに運転させている

妻の死後、だれも助手席に乗っていない⇒自分が初めて助手席に乗る⇒妻を思い出す

心の盲点⇒⇒目の盲点(家福は緑内障により視野欠損がある)

 

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「ドライブマイカー」映画の監督、キャスト、あらすじ

監督・脚本:濱口竜介

最近の長編映画作品は「ハッピーアワー」「寝ても覚めても」「スパイの妻(劇場版)」

原作にほれ込んで映画化したのだそうです

主演:家福悠介・・・西島秀俊

運転手:渡利みさき・・・三浦透子

妻の不倫相手:高槻耕史・・・岡田将生

家福の妻:家福音・・・霧島れいか

言わずと知れた実力俳優で心情を見事に演じているようです。

また、海外(韓国・台湾・フィリピン・インドネシア・ドイツ・マレーシア)でのオーディションで選ばれたキャストも出演し、多言語で劇中に登場しているそうです。どのような展開が繰り広げられるのでしょうか。

3時間近くある壮大な物語となっています。映画化にあたり、村上春樹の「女のいない男たち」に同じく収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも使って、生前の妻の音の様子を表現しています。

映画の題名になっているドライブ、つまり車が重要なアイテムとなっています。

 

サーブ900コンバーティブルの色は赤。オープンカーでなく、屋根の窓だけ開くタイプ。   原作では黄色です。色の違いが作品にどのような影響をもたらしているのでしょうか。

あらすじ:主人公の家福は舞台俳優で演出家。妻の音は突然秘密を残して亡くなってしまう。
2年後に広島で舞台の仕事をすることになり、車で向かう。仕事の依頼主より自分で運転するのは認めないと、専属ドライバーのみさきを紹介される。人に運転させるのは嫌な家福だが、試しにみさきに運転させて、受け入れることにする。
みさきは寡黙で、ある過去を持っていた。さらにオーディションで高槻を見つける。高槻は以前音から紹介された俳優だ。
家福は喪失感と秘密に苛まれてきたが、みさきと過ごすなかであることに気づかされていく。

また映画では原作ではほとんど登場しない家福の妻も登場する。家福と妻がどういう夫婦関係だったのかが伝わってくるが、そこで家福が妻の不倫現場を目撃することとなる。
だが家福は妻を問い詰めることはしなかった。そのことが強い喪失感へと繋がっている。

この喪失感を抱えた家福が、広島で舞台を作りながら、またサーブ900にみさきと乗っている中で、いかに再生していくことになるのか?
この気持ちの動きを濱口監督ならではの方法で魅せてくれる。

この映画は登場人物が再生へと向かう姿の物語だ。

 

原作小説は短編なので、細かい描写や出来事は描かれていませんでした。映画では3時間近い作品となっていて、主人公の家福が妻と幸せに暮らしていた過去から、妻が死んで激しい喪失感から再生するまで、心情を細やかに表していると思います。
この再生にはサーブ900と寡黙な運転手のみさきが必要だったと納得できるのではないでしょうか。

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『ドライブマイカー』村上春樹原作の映画のまとめ

『ドライブ・マイ・カー』のあらすじをお伝えしました。

『ドライブ・マイ・カー』は村上春樹の短編小説が原作の映画です。
原作の小説は短編ですが、映画は3時間近い内容となっています。

濱口竜介監督による作品でカンヌで脚本賞を受賞し話題になっています。

村上春樹ファンの方、ファンでない方も、映画『ドライブ・マイ・カー』を是非ご鑑賞ください。感動できる映画だと思います。

 

 

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